2010年03月06日

【from Editor】「水島上等兵」の訃報(産経新聞)

 昨年10月25日、タイ北部の街メーソートから訃報(ふほう)を受けた。中野弥一郎さん。享年89歳。数多くいたと思われる「ビルマの竪琴」の「水島上等兵」の一人だった。

 「烈兵団」の兵士として、インパール作戦に参加、ビルマ(現ミャンマー)からインドのコヒマを攻めたが、敗走。3万人以上が戦病死し、敗走路は「白骨街道」と呼ばれた。

 終戦後の昭和20年9月、同郷の友人と捕虜収容所を抜け出し、そのままビルマで暮らす。しかし、内戦が激化、妻子とともにタイ国境を越えた。カレン族難民としてだった。

 タイ最後の残留日本兵の死。訃報を記事にするか、迷った。結局、「あまり知られていない」と判断して書かなかった。

 2月の新潟・小千谷は2メートルを超す雪に覆われていた。「そうですか、弥一郎が亡くなりました。そうですか」。真島猛さん(89)は絶句したままだった。こたつに入った姿がわずかに小さくなったように思えた。やはり、知らなかった。

 一緒に脱走した友人である。2人は背中に仏塔の入れ墨をしてカレン族の男になる決意をした。2年後、現地警察に発見され、真島さんだけが日本に帰還した。

 「弥一郎とはね…」。負傷し、気を失っているうちに仲間に焼かれそうになった話。遺体だと思い、靴を交換しようとしたら、「まだ生きています」といわれた話。白骨街道の悲惨さ、カレン族の暮らしを問わず語りに娘さん夫婦に話し始めた。「前は戦争のことは全然、話さなかったんですよ。入れ墨も不思議でしたし、もっと話してくれればよかったのに」。娘さんはそう言った。

 訃報記事を目にすることで、愚かなインパール作戦で亡くなった日本兵や還(かえ)らなかった「水島上等兵」に思いをはせる読者はいただろう。一人の死が日本人として忘れてはならない過去を振り返るきっかけになることがある。書かなければいけなかった。

 真島さん方を辞去する際には横殴りの雪になっていた。越後湯沢駅に向かうレンタカーのフロントガラスに大粒の雪が付いては、溶けた。雪の大群に襲われているかのような感覚になる。この光景を中野さんは覚えていただろうか。タイの自宅には日本語の新聞や雑誌が積まれ、壁には出征前の自身の写真と昭和天皇の写真が飾られていた。最期まで日本人。故郷の雪も忘れるはずはなかった。(社会部編集委員 将口泰浩)

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posted by シラカワ ミツオ at 16:57| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

元母を「許せない、終身刑に」虐待公判で女児(読売新聞)

 神奈川県逗子市で2008年2〜3月、元夫の連れ子で当時9歳だった女児をダンベルで殴るなどして虐待し、全治9か月の重傷を負わせたとして、傷害罪に問われた元母親で同市に住むホームページデザイナー(41)の第2回公判が2日、横浜地裁(久我泰博裁判長)であった。

 この日は、別室の音声や映像を法廷に中継する「ビデオリンク方式」で女児の証人尋問が行われ、女児は「お母さん以外の人に暴力を振るわれたことはない」などと証言した。

 検察側の冒頭陳述では、元母親は、元夫の娘に男児として振る舞わせたり、08年2月中旬から3月末までの間、ダンベルで何度も殴りつけたりして全治9か月の骨盤骨折などの重傷を負わせたとしている。

 検察側の尋問で、女児は06年夏から始まったとされる虐待の状況を説明。元母親から無理な筋肉トレーニングを強いられ、休んでいるのが見つかる度にダンベルで殴られたことや、小学校のテスト用紙に男性の名前を書くよう強いられたことなどを証言し、「許せない。終身刑になってほしい」と述べた。

 一方、日常的な虐待を否定している元母親の弁護人が反対尋問で「ダンベルにお母さんの指紋は付いていない」と指摘すると、女児は「理由は分かりません」と答えた。また、「ダンベルはいつ頃から家にあったのか」との質問に対しては、「よく覚えていない」と述べた。

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